感覚のずれ

　「今日こそきっちり4周走りきる」
 そして、最高のタイムを出して、長年連れ添ったホイールを卒業し、新しいホイールを下ろすのだ。

意気込んで走り始めるものの、家を出てすぐにぜんぜん踏めないことがわかる。
ならば、入鹿池までは丁寧にアップ、周回コースに入ったところで力で踏み過ぎないようにギアをどんどん軽くして、上りはいつもより2枚、場合によっては3枚軽くして回していく。

　けれど、きつい。きついくせにぜんぜん進んでいかない。
このままいくと、いつもより何分遅いのか、見当もつかない。47分か、48分か、49分か...
　1周目のタイムが不安で、残り1kmを切ったところで、このまま走り続けても4周走り続けることは無理な気がしてきて、気持ちが切れた。

 ところが、1周走り終えてメーターのラップボタンを押すと悪くないタイム。感覚だけでは判らないものだ。

　1周目 45分50秒　心拍数平均 145


　タイムを見て、やっぱ続けようかとも思ったけれど、今日は素直に止めることにした。